鬼子 新堂冬樹

鬼子

鬼子

爆笑問題の太田のススメで読んでみた。主人公である売れない作家の息子が、あることをきっかけに純粋無垢だった性格が、一変して暴力息子に変貌する。ただのすくいようのない家庭崩壊の話かと思ったら、いつのまにか、その息子の変貌の理由を暴いていくミステリー小説のように展開して行き、惹きこまれた。誰が悪いの?人間不信!ミステリー小説によくある、大きなどんでん返しが、苦手だったりするのだけど、この小説は細かい細工がたくさんあるようで、じわじわと楽しめた。最近の、信じられないような凶悪な事件なんかも、もしかしたらこんな背景があってもおかしくないんじゃないかとか思ってしまった。あまりに、ニュースでみる事件が、凶悪すぎたり、現実離れしていたりするから。背景があっても事件は起こって欲しくないけど。けっこうヘビーな内容ではあったので、他の作品も読んで見たいけど、もうちょっとしてからにしようかな。